特 別 指 導







真冬の人気のない屋上では一人、辛気臭い溜め息を吐きながら今日返還されたばかりの答案用紙と睨めっこする人物が居た。

「・・・・こんな点数、親に見せられないよ・・・」

香穂子は数学の点数を見つめながら、そのまま紙ヒコーキでも折って此処から飛ばしたい衝動に駆られる。

赤点は免れたものの、平均点には及ばなかったのだ。

これが中間考査ならばまだ猶予はある。

しかし、残念ながらこれは期末考査。

もう、香穂子には後がない。

「前回の数学も平均いかなかったから、流石にヤバイよね・・・」

はぁ・・・と、本日2度目の溜め息を盛大に吐く。

「・・・・そういえば、前もこの屋上で落ち込んでたっけ。 そしたら柚木先輩がいつの間にか背後に居て」

「『おやおや、お粗末な点数だねぇ。 俺、馬鹿は嫌いだよ?』 ・・・・だろ?」

「そうっ! 一字一句、全く一緒です!! ―――って、柚木先輩!?」

突然背後に現れた柚木に驚いて、香穂子は慌てて後ずさる。

手に持っていた答案も素早く背後に隠したが、後の祭りだったらしい。

柚木は呆れたような、冷ややかな視線を香穂子に送った。

「一度ならず二度までもこんな点数取るなんてね・・・・。 お前、本物の馬鹿?」

「・・・・うっ」

言い返してやりたいけれど、言葉が見つからずにグッと黙る。

「図星か? ・・・・まぁ、俺としても自分の恋人が『馬鹿』だなんて恥ずかしいし。 特別に教えてあげるよ」

「・・・・・・・」

意地の悪い物言いにカチンときた香穂子は聞こえない振りをする。

しかし、柚木のこの一言によって行かざるを得なくなった。

「ふぅん、香穂子は2年生をもう一回体験したいんだね」

「・・・・いえ。 是非、教えて下さい」

「ふふっ、素直な子は好きだよ。 じゃあ、放課後に図書室で待ち合わせな」

そう言って柚木は上機嫌そうに屋上を去って行く。

一人残された香穂子は本日3度目の溜め息を吐いた。










***************










「・・・香穂子」

ノートから顔を上げると目の前には柚木の姿があった。

「お待たせ。 先に来て始めているとは感心だな」

周りに人が居ない所為か、話し方が素になっている。

「・・・・本当に進級出来なかったら困りますし」

「一応、危機感はあるみたいで良かったよ」

柚木はクスリと笑って香穂子のノートを覗き込む。

間違った問題を中心に書いたそれは殆ど解き終わっていて、あとは採点だけのようだ。

ざっと問題と答えを見ただけで柚木は幾つか間違いを指摘する。

「ココと、ココと、ココ。 公式からして違うよ」

「えっ? この公式を使うんじゃないんですか?」

「引っ掛け問題だよ。 説明してやるからよく見てて」

そう言ってペンを持った柚木はノートの余白に例題を書いて解きながら丁寧に説明する。

教師の説明では解らなかった所もすんなりと理解出来た。

「・・・あぁ! だから、こうなるんですね!」

「そういう事。 じゃあ、この問題も解るだろ?」

「はい」

香穂子は頷くと、先程とは違いスラスラと公式を書き始める。

そして、最後の問題も解き終わるとパッと顔を上げて柚木に知らせた。

「・・・・出来ました!」

「どれ、見せてごらん」

ノートを柚木に渡して採点し終わるのをドキドキしながら待つ。

公式も解りやすく教えて貰ったので完璧に理解したし、全問正解の自信があったから。

しかし、彼から返ってきた言葉は―――。

「割り算が間違ってるぞ」

「・・・わ、割り算・・・・」

期待していただけに落胆は大きい。 それも初歩的なミスで、だ。

返ってきたノートは半分が小さな計算違いだった。

「公式は合ってるけれど、ケアレスミスが目立つな・・・・」

「うぅ・・・自信あったのに〜・・・」

「へぇ、苦手教科なのに自信あったんだ?」

問われて、香穂子は即座に頷く。

「はい。 先輩の教え方、先生よりも凄く上手でしたから」

「それは、どうも有難う。 ついでに集中力もあげてやろうか? ミスが減るかも知れないぜ」

「本当ですか!? 是非っ!」

迷うことなくその提案に飛びついた・・・・・・が、香穂子は柚木が少し意地悪く微笑んでいるのに気が付いた・・・・。

大抵、こんな表情をする時はろくな事がない。

「言っておくけど、取り消しは無効だよ」

逃げの言葉を先に制されて、香穂子は承諾する他なかった。

「・・・・・・はい。 何をするんですか?」

「ふふっ・・・イケナイ事、かな」

「――― は!? だって、ここ学校・・・!」

「うん。 次から一問でも間違えたらここで抱くよ」

「そんなっ・・・」

間違えなければ良いだろ、とあっさり言う柚木に呆然として言葉を失くす。

「せ、せめて2問・・・」

「ダメ。 余裕を与えたらプレッシャーの意味がないでしょう」

もう既に余裕なんかありません!、と声を大にして叫べたらどんなに良いだろう・・・・。

場所が図書室なので叫ぶなど言語道断だけれど。

「とりあえず、この3問作ったから解いてみて」

ずい、とノートを差し出されて香穂子は渋々ペンを握った。

問題を解くこと、15分。

『出来ました』 と言って、柚木に見せる。

先程とは違う緊張が香穂子を襲う。

柚木はざっとそれを見通すと赤ペンで3問に丸を付けた。

「やれば出来るじゃないか。 ・・・・それとも、俺に抱かれるのがそんなに嫌?」

苦笑とも取れる微笑みを浮かべて問われ、香穂子は僅かに頬を染めながらそっぽを向く。

「場所が嫌なんですっ」

「その態度、生意気だね。 ますます虐めたくなるよ」

ノートを受け取り、書かれた問題は一つだけ。

しかし、難易度は格段に上がっていた。

「・・・これ、間違えない方が奇跡ですよ・・・・」

「今までの公式を使えば解けない問題じゃないだろ。 さっさとやれ」

促されて再び机に向かう。

柚木はその間、何処かから持ってきた本を読んで時間を潰す。

少しずつ丁寧に公式を解いていくが、途中で頭が混乱して訳が解らなくなってしまった。

「あの、先輩・・・ここなんですけど・・・」

「訊くのはなし。 自力で頑張れ」

柚木は読んでいる本から瞳も離さずに即答する。

先程までは香穂子が尋ねなくとも手が止まってたら 『何処で悩んでるんだ?』 と柚木の方から言ってきてくれたのに・・・・。

「柚木先輩の鬼っ!!」

「教えてばかりじゃ香穂子の為にならないだろ」

最もな事を言う柚木に対して、香穂子は胡乱げな眼差しを向けた。

「・・・・本当はただしたいだけなんじゃ・・・・」

その言葉に柚木は吹き出して漸く香穂子と視線を合わせる。

「クッ・・・! じゃあ、逆に聞くけどお前はどうなの?」

「わ、私は・・・さっきも言った通り学校じゃ嫌ですっ!」

「俺は寝室じゃ飽きた」

「―――なっ・・・!?」

まさかそんな返答がくるとは思っておらず、香穂子は目を見開いた。

最近やっとその行為自体に慣れ始めたというのに、柚木の言葉が信じられない。

柚木は 『もう、お喋りはお仕舞い』 というように、また本に瞳を戻す。

それを見て香穂子も再び問題に取り掛かる。

そう。 柚木の言う通り、間違えなければ良い話なのだ。

これは決して解けない問題ではない。

落ち着いてやれば、きっと大丈夫。

香穂子は自分に言い聞かせて慎重に答えを導きだす。

そうして更に10分が経過し、ようやく答えが出せた。

「終わった?」

「はい」

柚木にノートを渡すと香穂子は背凭れに寄りかかる。

数秒もしない内に柚木からノートが返ってきた。

「よく解けたね。 これだけ出来れば充分だと思うけれど、念の為に・・・はい」

「まだやるんですか!?」

「次はもう少し簡単なものだから不貞腐れないの」

「・・・・・はぁい」

間延びした返事をしてまた一問、解き始める。

柚木の言った通り問題は確かに簡単になっていて、今度はすんなりと答えが出せた。

これもあっさりと正解し、香穂子は少しだけ楽しくなって次々に出される問題を軽々と解いていく。

「柚木先輩、終わりました!」

「見せて。 ・・・・凄いね、また正解。 じゃあ、これで最後な」

「やった!」

漸く終わりが見えてきて香穂子は嬉々としてペンを走らせる。

最終チェックも済んで、柚木に見せた。

採点してもらっている間に筆記用具を片付け、帰る用意を済ませる。

だが、今まで淡々と丸を付けていた柚木の口角が不意に上がった。

「最後に油断したな。 ここ、計算ミスしてるぞ」

「えぇっ、そんな筈は・・・!」

慌ててノートを見ると確かに掛け算が間違えている。

「う、嘘・・・・」

愕然とする香穂子に柚木はしたり顔で微笑んだ。

「嘘じゃない。 約束は守って貰うよ?」

そう言うと柚木はグッと間合いを詰めて、香穂子の身体を椅子の背凭れに押し付ける形で強引なキスをする。

「んっ・・・んんぅ・・・っ」

突然な口付けに息が整わず、一度唇が離された。

その瞬間を逃さず、柚木を押し退けて逃げ出そうとするが、反対に捕まってしまい今度は机の上に仰向けで押し倒される。

柚木の口付けは更に深くなって、静寂な図書室に濡れた音が響く。

香穂子の頬は羞恥で真っ赤に染まり、ドンドンと柚木の背中を叩くけれど、そんな僅かな抵抗は何の意味も成さない。

背を叩き続ける香穂子の手も次第に弱まって、最後には柚木のブレザーをギュッと握り締める形となる。

抵抗をやめた香穂子の口角からは飲み込めなかった唾液がつう・・・と伝う。

充分に香穂子の唇を堪能すると、漸く柚木は口付けを解いた。

長く深い強引なキスに、香穂子は荒い息を吐いて呼吸を整える。

目元は涙でうっすらと濡れており、熱に浮かされたような焦点の定まらぬ瞳が酷く扇情的だ。

「・・・ゆ、のき・・・先輩・・・・」

強請るような香穂子の甘い声に、柚木は人知れず微笑を浮かべる。

普段は快活なこの少女が、自分だけに向ける『女』の顔。

香穂子の媚態を見下ろしている柚木は満足そうに笑う。

「・・・・可愛いよ、香穂子」

激しい口付けの所為でぐったりと横たわる香穂子はされるがまま、身体を引き起こされて柚木の膝の上へ乗せられた。

ゆったりと椅子に腰を掛ける柚木は少し足を開いて、香穂子の膝を割る。

「やっ、ヤダ・・・!」

羞恥に耐えられず香穂子は足を閉じようと懸命に身体を捩るが、柚木はやんわりとその動きを制すと耳元で密やかに囁く。

「嘘だね。 嫌じゃないだろう・・・・?」

「あっ・・・」

柚木の手が太腿をすぅ・・・と撫で、香穂子の身体はビクリと跳ねた。

そして、次第に上へと這う手はついに最も秘められた場所へと辿り着く。

下着越しに触れたそこは僅かに湿っている・・・・・。

「ふふっ、キスだけで感じちゃった? いやらしい子だね」

「そんなのっ・・・柚木先輩が・・・!」

「そう、俺が全て教えたんだよ。 お前に触れて良いのは俺だけだ―――」

そう言って柚木は下着の役割を果たしていないそれを降ろして、手を腿の下に回し香穂子の片足を持ち上げた。

誰が来るか解らない図書室で自分だけ淫らな姿を晒し、香穂子の頬がカッと紅く染まる。

「嫌ぁっ! 降ろしてっ・・・」

必死にもがく香穂子を柚木は羽交い絞めにして押さえつけ、空いた手で今度は直接触って花芽をつまむ。

「あぅ・・・っ」

蜜でぬるりと滑るのを愉しむかのように、その行為を何度も繰り返して香穂子を翻弄する。

焦らすように、ゆっくりと柚木は指を挿入して香穂子の感じる部分はわざと外す。

中途半端に高められ、下肢の疼きがより一層酷くなる。

「・・・もう欲しいの?」

耳元で唆すように問われ、ここが学校だという事も忘れて香穂子はコクコクと首を縦に振った。

「じゃあ、お強請りしてごらん? ちゃんと言えたら香穂子の欲しいものをあげるよ」

柚木は意地悪く微笑み、香穂子を更なる羞恥の波に溺れさせる。

しかし、箍が一度外れてしまった香穂子は戸惑いながらも卑猥な言葉を口にした。

「・・・・い・・・れて、下さい・・・・」

今にも消え入りそうな声で呟く。

「聞こえないね。 もう一度」

ニヤリと口角を上げた柚木は更に香穂子を追い詰めて虐める。

「・・・いれて・・・下さいっ!」

顔を真っ赤にして震えている彼女に柚木は優しいキスを一つ落とした。

「いい子だね、良く出来ました」

緩やかに動かしていた指を抜いて、代わりに滾った柚木自身を挿入する。

「あぁ・・・っ」

求めていたものが満たされて香穂子は背中を仰け反らせた。

瞬間、中のものをギュッと締め付けられて香穂子が達したことを悟る。

柚木は苦笑すると、ぐったりと凭れ掛かっている身体を抱え直す。

「挿れただけでイッたのか・・・・。 仕方ないな、もう少し付き合えよ?」

そう言うと柚木はグンッと香穂子の最奥を突き上げた。

「・・・っあああぁ!」

激しい抽挿に言葉も紡げずに、ただ意味のない嬌声を上げる。

ぐちぐちと粘着のある水音が静かな室内のBGMとなり、香穂子の耳を犯す。

一度達したことで過敏になった身体は再び昇り詰める。

「ふぁ、あ・・・柚木・・・せ、ぱ・・・・っ」

「香穂子・・・っ・・・名前で呼んで・・・」

「・・・あ、ず・・・・梓馬さっ・・・・梓馬さん・・・っ!」

夢中で名前を呼び続ける香穂子は柚木をきつく締め付けた。

二人の体重が合わさり椅子がギシギシと軋んで、弾んだ吐息が交じり合う。

「・・・クッ・・・香穂子・・・・っ・・・」

頭上からは余裕のない掠れた柚木の声が聞こえて香穂子はそっと見上げた。

思ったより近くに顔がありちょっと驚いたが、それは一瞬で次にはその表情に見惚れていた。

やっぱり綺麗だな――と、ぼんやり考えていたら不意に柚木と目が合い、咄嗟に視線を逸らす。

そんなあからさまな態度を取って柚木に気付かれぬ筈もなく・・・・。

彼はクスリと小さく笑んで、香穂子の顎を掬い強制的に視線を合わせる。

「もっと見てても良いんだぜ?」

「・・・! もう、充分で―――んぅっ」

突然、何の前触れもなしに唇を奪われて香穂子は目を見張った。

「可愛げのないセリフは全て塞いでやる・・・・」

キスを一旦解いて囁くと再び香穂子に口付けを落とす。

繋がったままでのキスだけでも感じてしまうのに、柚木の悪戯は止まらない。

香穂子の顎を掴んでいた手は制服の中に侵入して胸の先端を弄り、太腿にあった手は花芽を嬲り始める。

「んっ・・・んんぅ・・・!」

その刺激に堪らず、香穂子は身を捩ると口付けだけは解かれた。

柚木はそのまま唇を香穂子の首筋にずらして強く吸い上げる。

チクリとした僅かな痛みにさえもビクンと大きく反応し、過ぎる快楽に翻弄されて瞳からは涙が零れた。

「やぁ・・・梓馬さんっ・・・・もう・・・っ」

「イきそうなんだろ? 凄い締め付け、だよ・・・」

そう言いながら柚木は香穂子のポイントを狙って打つ。

「あああ・・・っ! ダメ・・・いっちゃう・・・!」

「・・・いいよ、香穂子・・・・一緒に・・・っ」

更に最奥を突かれて香穂子の視界は真っ白に弾けた。










二人のものが合わさった温かい液体が太腿をつぅ・・・と伝う。

衣服を整えるのも億劫で、香穂子は柚木に身を委ねたまま荒い息を吐く。

ズルリと中の楔が抜ける感触に、僅かだが声が漏れてしまった。

柚木は香穂子の身体をハンカチで拭い、制服も元通りキチンと着せてやる。

普段ならば、彼の細やかな配慮が嬉しくてつい甘えてしまうのだが・・・・今回ばかりは納得がいかない。

頭も冴えてきたので、尚更学校でしてしまった事実が香穂子にとっては恥ずかしくて仕方が無かった。

自分の身なりも整え終わった柚木は、まだ香穂子を膝の上に乗せたまま機嫌を窺い見る。

「ここでするのは、そんなに嫌だった?」

「・・・・当たり前の事を聞かないで下さい」

柚木から顔を背けて不機嫌そうに答える。

そんな態度が柚木の嗜虐心を煽るのだと香穂子は気付かない。

「だったら、次のテスト頑張る事だな。 また妙な点数取ったら・・・・どうして欲しい?」

声を低くして言うと、香穂子は大袈裟に身を竦めた。

その過敏すぎる反応が面白くて柚木はクスッと小さく笑う。

「やっぱり、お前見てると本当に飽きないよな」

「・・・・揶揄ったんですか?」

恨めしげな瞳が仔犬を連想させて苦笑し、柚木は『さあね』と呟いた。

「次は数学で満点を取ってみせます!」

「数学だけ?」

「・・・うっ」

香穂子が言葉を詰まらすと柚木は明からさまに優等生の仮面を被る。

「ああ、心配しなくてもまた僕が勉強を教えてあげるよ。 ・・・今度は個室で色々と、ね?」

最後の言葉だけ妖しく囁く。

「丁重にお断りします・・・!」

危険を感じて、香穂子は柚木の膝の上から降りて逃げようとした。

しかし、後ろから抱くように腕を回されて逃げ出すことはおろか、身動きすらも出来ない。

それでも往生際悪くジタバタともがく香穂子の身体をギュッと強く抱き締める。

少し虐めすぎたかな・・・と心の中で呟いて、宥めるようなキスを香穂子に送った。

「冗談だよ。 もう何もしないから」

「・・・・本当ですか?」

探るような視線で下から見上げられて柚木は頷き、香穂子の頬に優しい口付けを落とす。

何だかんだ言っても、結局は柚木も香穂子には甘いのだ。

本当に追い詰める事を良しとしないから、適当な所で柚木がいつも引き下がる。

雨のようにキスを顔中に散らされて香穂子も漸く安心したのか、強張っていた身体を弛緩させて柚木の胸に凭れ掛かった。

「今度は普通に・・・また勉強みて下さいね」

『普通に』 を強調され、柚木は苦く笑う。

「・・・いいよ。 次は真面目に教えてあげる」

夕日によって更に緋色となった香穂子の髪を指先で弄びながら約束する。

オレンジ色の世界で二人、寄り添い合いながら日が沈むのを見守っていた。










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★あとがき★

フォルダの中で眠っていたコレを見つけて急遽アップしました・・・・(汗)
半分以上まで仕上がっていたのに、なかなか終わらなくてズルズル引っ張っちゃったよ。
中盤で書きたいこと終わっちゃうから、終盤が尚更困る・・・・。
コレは・・・ただ、勉強教えてる柚木さんが香穂ちゃんを襲っちゃう話を書きたかっただけ・・・・(死)