ベッドには押し倒し返した香穂子が俺を見上げている。

その瞳には涙を浮かべて、怯えの色が窺えた。



―――けれど、そんな顔をしても赦してなんてやらない。



俺にあんな・・・ 『悪戯』 という言葉じゃ済まされないような事をしたのだから。

今だって香穂子に盛られた薬が、かなり強く効いている。

俺は男としてのプライドに傷を付けられたのだから、お前にも・・・・・・。

それ相応の罰は受けてもらう。






























「・・・柚木先輩・・・ごめんなさい、もう許して・・・」

「謝って済むとでも? そう簡単に許せる筈がないだろう」

「ふ・・・っ、ああぁ・・・!」




香穂子の懇願を無視して、一番深い所を狙って突く。

ぐちゅっ、という水音が大きく響き・・・互いの混ざり合ったものが香穂子の中から溢れ出る。




「あっ、や・・・もう・・・・ッ」




キュウッと突然きつく柚木のものを締め付け、香穂子は一際かん高く啼いた。

――― ()く合図だ。


しかし、柚木はそれを抜いてしまった。

香穂子が潤んだ眼差しを向けるが、それも無視してやる。

こうした意地悪を、もう何度したか覚えてはいない。

ただ覚えているのは、この 『お仕置き』 を開始してから香穂子を一度も達かせてないという事だけ・・・・。




「・・・たぃ・・・っ・・・イきたい・・・よ・・・ぉ・・・っ!」




追い詰められた香穂子は自ら脚を開いて、下肢に手を伸ばす。

だが、その手は柚木によって止められた。




「誰が勝手に触っていいと言った?」

「いやぁっ・・・放して・・・放してぇ!」

「俺の言うことが聞けないの? それとも・・・手、縛られたい?」

「・・・・・・っ」




耳元で囁いてやると、香穂子はビクリと肩を竦ませた。

脅しが効いたのか抵抗をやめる。




「・・・・いい子だ。 素直な子は好きだよ」




微笑みながら、次はどうするかを考える。

だが、あまり悠長に構えてなどいられない。

――― 柚木も、まだ薬の効果が続いているのだ・・・・。

果てても底なしの様に脈打つ己自身が忌々しい。

だが、次の瞬間いいアイディアが浮かんだ。




「香穂子。 あの薬、まだあるよね?」

「えっ? ・・・・ええ」

「じゃあ、全部出して」




その言葉に香穂子は瞠目したが、もう反抗する意思もないのか素直に薬をポケットから取り出した。

渡されたそれは、一見変哲もない唯の錠剤だった。




「・・・一錠だけ? 他に隠し持っていたりしないよな」

「しません! 本当にそれだけです」

「そう、なら良いけれど」

「・・・・柚木先輩・・・・あの・・・・私、もう・・・っ」

「達きたい? じゃあ、どうお願いしたら良いのか・・・教えただろう」




香穂子はコクリと小さく頷いて、柚木の足の間に蹲る。

そして熱い楔にそっと唇を寄せた。

チロリと先端を舐めてそのまま口に含む。

もう幾度も教えた所為か香穂子の舌使いは巧みだ。

だが、いまいち集中が出来ていない様子でチラチラと薬の方を見ている。




「これが気になるのか?」




手の中で遊ばせていた錠剤を見せびらかすように掲げた。

もう片方の手は香穂子の背中を撫でて、やがて菊花に到達する。




「ふぁっ・・・何・・・!?」

「口を離すな。 続けろ」




愛液が流れてぬるぬるになったそこを弄びながら、柚木は高圧的に命じる。

指を一本入れるとキュウっと入口が窄まった。

奥まで指が入ることを確認して抜く。

すると、不安げな香穂子の瞳とぶつかって柚木は悪辣に微笑んだ。




「今からお前にもこの薬を飲んでもらうよ・・・・ここからね」

「んぅっ・・・んん・・・・っ」

「抵抗しても無駄だよ。 直腸から吸収すると効き目も早いみたいだし、楽しみだね」




そう言って、つぷりと菊花に薬を入れた。

香穂子はかなりのショックを受け、とうとう泣き出してしまった。

だが、それでも柚木は許す気などない。

先に仕掛けてきたのは香穂子の方なのだから。


――――― そう、これは調教だ。


反抗的な飼い犬には、誰が主かをもう一度判らせる必要がある。




「ほら、口がお留守だよ。 うまく出来ないと何時までもイけないぜ?」

「・・・ん、ふぁ・・・・・んんっ・・・」

「・・・・いいね、その顔。 ゾクゾクする」




男の肉棒を懸命にしゃぶっている、オンナの顔。

そして、香穂子のそんな表情を知っているのは自分だけだという優越感。

快感と・・・得も言われぬ感情が合わさって、柚木は限界に達する。




「・・・ック・・・・ぜんぶ、飲めよ・・・っ」




柚木は香穂子の後頭部を押さえ、律動を早めた。

咽喉の奥に勢いよく放出し、ごくりと嚥下するのを見届ける。

飲み下せなかったものが口角から滴り、香穂子はぼうっと柚木を見つめた。




「・・・よく出来ました」




香穂子を抱き寄せて、零れた滴をぺろりと舐め上げる。

たったそれだけで 「んっ」 と、小さく声をあげる香穂子が愛しかった。




「・・・ゆのき・・・せん、ぱ・・・・」

「どうしたの?」

「もう・・・もう、イかせて・・・・っ」

「いいよ。 頑張ったご褒美にイかせてあげる」

「あぁ・・・っ」




手を下肢に持っていき、膨らんで主張している芽を撫でた。

そこは焦らされていた所為か充分に濡れていて、太腿まで蜜が零れている。




「・・・いやぁ・・・もっと奥に・・・・奥に下さいっ」

「わかってるよ。 ここだろう?」

「ああぁ・・・! 気持ち、い・・・・」

「・・・ほら、香穂子はここが好きなんだよね」




指を出し入れする度にぐちゅぐちゅと卑猥な水音が部屋に響く。

香穂子の悦い所を掠めれば、背を反らして嬌声を上げる。

途端に中がいきなり締まったので、香穂子が達したのだと悟った。

荒い息を吐いてぐったりと柚木に凭れる。

指を抜いてやれば、香穂子はねだるように柚木の首に腕をまわした。

・・・・・そろそろ薬が効いてきたのだろう。




「・・・先輩・・・・身体が、熱い・・・・足りないの・・・っ」

「じゃあ、横になって欲しい場所を俺に見せてごらん」




そう言うと、香穂子は素直に従った。

ベッドの上へ横たわり、柚木に向かって足をおずおずと開く。

だが、その程度では柚木が許すはずもない。




「ちゃんと自分で足を持って。 俺が欲しくないの?」

「・・・ほし、い・・・・」

「だったら言われた通りに出来るよな」

「っ・・・はい・・・」




頷いて、香穂子は膝裏に手を回して大きくM字に足を広げた。




「本当に可愛いね、お前は」

「・・・柚木先輩・・・もう・・・」

「ああ、今あげるよ・・・っ」

「ふっ・・・・・・あああぁッ!」




香穂子の中に思い切り挿れると、そこは何の抵抗もなく沈んでいく。

根元まで埋めてしまうとぎゅうぎゅうに締め付けられ、まるで食い千切られてしまいそうだ。

柚木自身も未だに薬の効果が残っている為、もう我慢など出来なかった。

香穂子の腰を掴んで、犯すかのようにメチャクチャに突き上げる。

途中、香穂子が達しても律動は止めない・・・・いや、止められなかった。




「やっ・・・せんぱ・・・・まだ、イってるとこ・・・!」

「・・・我慢、しろよ・・・っ・・・俺もあの薬がまだ効いてるんだから・・・・っ」

「ひぅ・・・っ! あっ、やっ、また・・・・イっちゃ・・・・!」

「いいぜ・・・・何度でも、イけよ・・・・っ」

「あっ・・・あぁっ・・・もっ・・・・・アアァ―――――・・・ッ!」

「・・・くっ・・・ぅ・・・・・ッ・・・・・俺も・・・・・!」




もの凄い締め付けと快楽に、思わず眉をひそめる。

燻っていた精を全て香穂子の中に吐き出して、それを引き抜く。

そして今度は香穂子を四つん這いの格好にさせて、次は後ろから貫いた。

ずっと攻められていた香穂子は身体にもう力が入らないのか、上体はすぐに崩れてしまった。

腰だけを高く浮かせたまま、柚木は再び律動を開始させる。




「・・・先輩・・・・もう、ゆるして・・・ぇ・・・っ」

「言ったはずだよ。 この薬の効果が切れるまでは寝かせてやらないって」

「でも・・・・っ」

「それに、お前だってまだ足りないだろう・・・・?」

「・・・っ、ふぁ・・・・・あぁ・・・あっ・・・・!」




それから何度も登りつめ、体勢を変えて・・・・飽くことなく香穂子を抱いた。

遂に体力の限界を越えたのか、香穂子は意識を失う。

それに伴い柚木も絶頂に達し―――気付けば薬は抜けていた。










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太陽が西へ傾き始める。

オレンジ色の静かな室内には、香穂子の安らかな寝息だけが聞こえていた。

身体を清めてやり、自分の身なりも簡単に整える。

すやすやと眠っている顔を見ていると先程の淫蕩さが嘘のようだ。

香穂子は色んな表情を柚木に見せて楽しませてくれる。

こうしていると愛しさばかりが募って仕方ない。




「・・・俺も末期かな」




柚木は、そう独りごちて苦笑を浮かべる。

起きている時は生意気な態度で嗜虐心を煽られるのに。

『寝顔は天使』 とは、よく言ったものだ。

香穂子が目覚めるまで、おそらくあと数時間。

その間、この寝顔をいちばん近くで見られるのなら、帰るのが少し遅くなっても構わないと思った。














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★あとがき★

郁さまリクエスト。 毎度毎度、お待たせし過ぎて・・・本っっっ当〜〜〜〜に申し訳ないです!!
『媚薬を飲まされて、余裕がありそうで、実は余裕がない柚木が無理やりチックに
香穂ちゃんを抱いちゃう・・・勿論、愛はありで』
・・・という内容でしたが、あんまり甘くないですね(汗)
こんな、ただヤッてるだけ〜な駄文でよろしければお持ち帰り下さいませ。
途中で投げ捨てるのもアリですよ〜!
色々とズボラ過ぎるサイトではありますが、以前同様に仲良くして頂ければ幸いですvv


尚、郁さま以外の方は他の作品同様お持ち帰りはナシの方向でお願いします。